人間なんて

ningennante

人間なんて ラララ~ラララ~ラァラ〜

さて、このアルバムの主題曲は文字通り「人間なんて」なのでしょうが、
このアルバムでとりあげる一曲は「どうしてこんなに悲しいんだろう」です。

高校生の夏休みを利用して四国の徳島から神戸にアルバイトに出稼ぎ?してた時に出会ったアルバムがこの「人間なんて」。
リリースが1971年ですが、ボクが出会ったのはその一年後。
すでにこのアルバムに収められている「結婚しようよ」がヒットしていて吉田拓郎という歌手の名前は知っていました。
確か林間学校かなんかでギターを持ちだして歌ってるのを聴いて、まあいい感じかなってぐらいに興味をもってたと記憶してます。
でも、その頃のボクはどっちかっていうと小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」を口ずさむ(確か林間学校でも歌ったかな)ぐらいで。

さて、その神戸・・・将来ここで13年も暮らしてあの震災に合うことになるわけですが・・・
夏休みを利用して、親戚のおばさんやってる港湾関係のバイト目的で来てました。
バイト休みの日、元町をぶらついていて、
レコード店というか楽器店に入りました。そこはレコードの試し聴きができたんですが
そこで、このアルバムに出会ったわけです。
「結婚しようよ」の吉田拓郎って記憶があって「人間なんて」を借りてその店で試聴させてもらったんですね。

前置きが長くなりましたが、アルバムを聴き流していくうちに、この曲となりました。
印象的なピアノの前奏がはじまり、「悲しいだろう みんな同じさ おんなじ夜をむかえてる」〜
「やっぱり僕は人にもまれて皆の中で生きるのサ」「明日になるといつもの様に心を閉ざしている僕サ」
もう、やられました。
高校生の僕の心にグサリと刺さりました。
この唄が僕と吉田拓郎の唄との出会いだったのです。
それからの僕は、貪るように吉田拓郎の曲を、情報を求め、一気に拓郎フリークへとなっていくのです。

いい唄です。ですが、ですが。
ちゃんと歌えません。
拓郎さんの唄は、結構難しいと言われながら、
僕的には、ギターの弾き語りでもそれなりに歌えていると他の人からもおせじ混じりに言ってもらえるのに。
でも、この曲は歌えません。でも、歌いたいので歌ってますが。

さて、その理由は拓郎さんの低音使いです。

悲しいだろう皆おなじサの、サの部分、この音が出せない。
ええ、一応出せますよ。しわがれた声で。
でも輪郭のくっきりした「サ」の音を出すのは無理です。
高校生のころから今現在に至るまで。
朝起き抜けの一瞬だけ理想の「サ」が出る時もあるんですが。
(朝一番って低い声が出ませんか!)
「サ」をくっきりと出そうとするとキーを上げる必要があって、
そうするとサビがきつい。

実は拓郎さんの曲の中には、この低音を駆使したのが結構あります。
というか、拓郎さんにとっては当たり前の発音なのでしょうけど。

例えば
「俺」で「さみしがりやなのかな、俺」の「俺」
「祭りのあと」で「祭りのあとの寂しさが」の「が」
「金曜日の朝」の「トロリトロトロ目がさめる」の「る」

あるいは、一つの音でなくても
明日に向かって走れ」の「流れる雲をおいかけながら」
「戻ってきた恋人」の「あの晩君は裸足でやってきた」
おはよう」の「夜明けはいつものうす茶色」

まあ、他の人に提供した曲ではこんなの少ないのですが、
自分で歌ってる曲は結構この持ち味を活かしたのがあります。

おそらくこれがいいんでしょうね。拓郎節なんでしょうね。

アルバム名:人間なんて
リリース:1971年11月20日
wikipedia

アルバム名:人間なんて
リリース:1971年11月20日
wikipedia